すっかり信用が地に落ちたTether USDT【100%の米ドル裏付け無し】

かねてより疑われていたTether社が発行するステーブルコイン:USDTの価値の裏付けについて、Tether社がホームページ上の規約を変更している事が判明しました。

※Coindeskの元記事(原文)
✅Tether Says Its USDT Stablecoin May Not Be Backed By Fiat Alone

前々から怪しいと思ってましたが、やっぱりなという感じです。
というか今回の件で、自分の中でTether(USDT)は完全に黒認定となりました。

 

Tether社はUSDTが100%米ドル裏付けでない事を認めたも同然

下記が変更前と変更後の、USDTの価値の裏付けに関する規約です。

🔷変更前の規約(英語原文)
“Every tether is always backed 1-to-1, by traditional currency held in our reserves. So 1 USD₮ is always equivalent to 1 USD.”

日本語訳
すべてのUSDTは、Tether社の準備金である法定通貨と常に1対1で裏付けられている。

 

🔷変更後の規約(英語原文)
Every tether is always 100% backed by our reserves, which include traditional currency and cash equivalents and, from time to time, may include other assets and receivables from loans made by Tether to third parties, which may include affiliated entities.Every tether is also 1-to-1 pegged to the dollar, so 1 USD₮ is always valued by Tether at 1 USD.

日本語訳
すべてのテザーは、Tether社の準備金である法定通貨および現金同等物によって常に100%裏付けされています。またその時々によって、Tether社が関連会社を含む第三者への貸付金やその他の資産および債権を含むことがあります。すべてのUSDTは1対1で米ドルと裏付けられており、よって1USDTは常にテザーによって1米ドルの価値を与えられています。

 

✅テザー社ホームページ


画像引用:Tether社 変更後の規約 (https://tether.to/)

 

変更後の規約には「現金同等物」という文言と「Tether社が他社に貸し付けている資産や債権も含まれる」という文言が追加されており、米ドル100%でUSDTの価値が担保されていない事を認めた形になっています。

また変更後の規約の最後の文面では「1USDTの価値はTether社によって1米ドルと同等に価値づけられる」となっており、変更前の「1USDTは常に1米ドルに相当する」と比べると、米ドルではなくTether社自身がUSDTの価値を保証するという意味にも取れます。

要はUSDTの価値は、米ドル100%で裏打ちされなくなったという事です。

「Tether社が他社に貸し付けているローンも準備金に含む」という文面も追加されていますが、すぐに回収できるか分からない内容不明の貸付金なんて、誰が信じるんでしょうか。

 

未だに正式監査を一度も受けていないという事実

最近になってバハマのDeltec Bank銀行と新しく契約し、Tether社の準備金が市場に流通しているUSDT総額と同等である事を証明する書面が発行されましたが、2018年10月31日時点での残高記載しかなく、またDeltec社の押印が無いなど全く説得力がありません。

親会社の仮想通貨取引所であるBitfinexとの癒着や、ビットコインの価格操作、準備金疑惑の件で、2017年12月から米国商品先物取引委員会から召喚状が出ているのにも関わらず、未だに真摯に取り合おうとせず、なによりも問題なのは「今まで一度も正式な監査法人の監査を受けていない」事です。

True USD(TUSD)という米ドル連動のステーブルコインを扱うTRUECOIN社は、毎月監査法人から準備金の監査を受け、その結果をウェブ上で公表しているので、何もやましい事がないのであれば、同じように監査を受け入れ、潔白を証明すればいいだけの簡単な話です。

そして予想通りといったら予想通りですが、今回の規約変更で信用の源泉とも言える「100%米ドルに裏付けられている事」を否定した形になりました。

こんなめちゃくちゃで信用できない会社が発行するドルペッグ通貨はもはや「ステーブルコイン」でもなんでもなく、スキャムコインと言っても過言ではないと思います。

そして、このような事実が明らかになってもUSDTの価格が崩れていない事も信じられない事の一つです。。

個人的には、このような会社が発行・運営するUSDTに資産を変換する事は、非常にリスキーだと考えます。

 

他ステーブルコインとの比較

現在上場済みのステーブルコインは大分種類が多くなってきましたが、主要ステーブルコインの価格、時価総額、取引量などの確認は下記のサイトが一覧になっていて分かりやすいです。

✅The Stablecoin Index

米ドル連結型ではTether社のUSDT、TRUECOIN社のTUSD(True USD)、Circle社のUSDC(USD Coin)、Gemini社のGUSD(Gemini Dollar)等が主要ステーブルコインです。

※以前書いたステーブルコインの記事
✅【ペッグ通貨 USDT/TUSD/GUSD】ステーブルコインブーム到来?GMOも2019年に発行
✅【Circle社】ステーブルコイン:USDCoin(USDC)の特徴


画像引用:The Stablecoin Index

2019年3月16日現在、1日の取引高ではUSDTが約1兆円と群を抜いており、続いてTUSDの約800億円、USDCの約400億円と続いています。

取引高こそTetherのUSDTが圧倒していますが、Circle社のUSDCやTrue USDのTUSDは第三者機関である会計事務所の監査を毎月受け、結果を公表しています。

上記はTUSDの監査法人であるCohen&Co社が毎月発行している監査結果報告書の抜粋です。

米ドルの保有量が発行済みTUSDよりも多い事が確認できます。

尚、Circle社のUSDCについても同様に、Grant Thornton LLPという世界でも有名な会計事務所によって、毎月監査結果の報告がされています。

🔷Circle社のUSDC監査結果確認サイト
🔷TRUECOIN社のTUSD監査結果確認サイト

またUSDCのCircle社、GUSDのGemini社は共に、アメリカのニューヨーク州金融サービス局(NYDFS)が発行するBitLicenseを取得しており、ニューヨーク州での仮想通貨サービスを行えるようになっています。

Tetherはこのようなライセンスも取得しておらず、また会計事務所等の監査も受けていません。

元祖ステーブルコインで、多くの取引所に流通しているという事から知名度は一番高いですが、いかに信用が無くリスキーな仮想通貨か分かると思います。

今後のTether社の動向には引き続き注視していきたいと思いますが、現状から変わる事がないようであれば、これからの仮想通貨市場の健全化の為にも、このような怪しいコインはさっさと市場から消えて欲しいです。

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