カストディ・サービスとビットコインETF【仮想通貨発展の鍵】

まず本題に入る前に、2018年に発生した主な仮想通貨のハッキング一覧を紹介します。

1位:コインチェック / 日本
損害金額:約580億円 発生月:2018年1月

2位:BitGrail / イタリア
損害金額:約200億円 発生月:2018年2月

3位:Zaif / 日本

損害金額:約70億円 発生月:2018年9月

2018年年初に発生したコインチェックのNEMハッキング事件の金額が大きすぎて、他がかすんで見えますが、3位のZaifでさえ約70億円の盗難額です。一般的な企業であれば、一発で倒産するレベルの盗難額です。

直接的なハッキングでなくとも、運営がICOで個人投資家から資金を集めた後に、突然トンズラしてしまうという事件も多発しました。

また、これ以外にも取引所の不正取引高水増しや、取引所間でのサイバー攻撃等、個人投資家を不安に陥れるニュースには枚挙にいとまがありません。

何が言いたいかというと、このような無法地帯では機関投資家や大手企業は、仮想通貨市場に積極的に参入してこないという事です。

仮想通貨が更に発展するには、個人投資家レベルでは限界があり、機関投資家の参入が必須です。

現在機関投資家が仮想通貨への投資に踏み切れない大きな理由として「盗難リスク」があります。

仮想通貨の価格変動(ボラティリティ)が大きい事も少なからず影響があるかもしれませんが、何よりも仮想通貨を安全に保有する事が出来ないという事が、最大のリスクだと考えられてます。

コインベースによるカストディ・サービスの開始

前置きが長くなりましたが、機関投資家の仮想通貨市場への参入を促進すべく、アメリカの大手取引所:コインベースが仮想通貨のカストディ・サービスを開始しています。

カストディサービスとは、信託銀行などの金融機関が、投資家に代わって株式や債券などの有価証券を保管、管理するようなサービスの事を指します。

カストディとは「保管」という意味で、仮想通貨界隈で使われているカストディの意味は、まさに顧客の仮想通貨資産を安全に保管する「金庫番」を意味します。

コインベースの子会社であるコインベース・カストディは、現在ビットコインやビットコインキャッシュ、イーサリアム、イーサリアムクラシック、XRP、ライトコインのカストディサービスを展開しています。

ただし、現状は最低資本1,000万ドル(約11億円)以上の機関投資家に限られています。

コインベース以外にも、ゴールドマンサックスが仮想通貨カストディ企業のBitGoへ数十億円の出資を行ったり、総運用資産額:約260兆円の世界有数の資産運用会社フィデリティの進出、アメリカ大手銀行のバンク・オブ・アメリカが、米国特許庁から仮想通貨カストディシステムの特許承認を得たりと、機関投資家参入の土台が出来つつあります。

まだまだ一般に浸透するには時間はかかると思いますが、このような大手が「金融資産のインフラ」でもあるカストディサービスに参入してきた事は、仮想通貨にとってはプラス材料です。

ビットコインETFの承認

カストディサービスともう一つ、「ビットコインのETF承認」も今後の仮想通貨の発展の鍵になってくると考えられています。

まずこのETF(Exchange Traded Fund)の意味ですが、簡単に言うと、証券取引所に上場した投資信託です。上場している為、取引所が開いている時間内であれば、株式と同様にリアルタイムで変動する市場価格で売買する事が出来ます。

株と投資信託、両方の特性を兼ね揃えた金融商品とも言えます。

投資信託とは
投資家から集めたお金を元に、資産運用の専門家が株や債券などの複数の商品に投資運用する金融商品の事です。更にかみ砕くと「投資のプロを信じて代わりに投資してもらう」事です。

ビットコインETFとはビットコインの上場投資信託で、証券取引所でビットコインを一つの「投資信託」として、株のように購入する事ができるようになるという事です。

認可を受けた取引所に資産管理をしてもらう事になるので、セキュリティだけでなく、保険の適用なども不随してくる為、機関投資家への安心材料にもなります。

もしビットコインがETFとして認めらると、ビットコインETFは有価証券として分類され、すでに市場で取引されている原油や金のETFと同じ枠組みでビットコインを扱うことができるようになり、機関投資家が参入しやすくなります。

上図は金とビットコインのチャートの比較です。

金も以前はビットコイン同様、投機的対象とみなされており、機関投資家達は投資を敬遠していたのですが、金のETF上場によって証券と見なされた後、急激に価格が上昇しました。

ETF上場は膨大な資金流入が見込めるだけでなく、税制の変更についても影響を及ぼします。

日本を例にとれば、現状ビットコインに掛かる税金は「雑所得税」に分類されており、最大で50%以上の税金を支払う事が義務付けられています。

ビットコインETFが認められる事は、すなわち「証券」と同じ扱いになる為、株式と同様の約20%の税率になる事を意味します。これは投資家にとっては非常に大きなポイントです。

※雑所得税については以前「仮想通貨における税金」という記事で詳しく書いてます。

まとめ

カストディ・サービスによる安全な資産保管、ETF承認よる機関投資家からの巨大な資金流入。
これらが徐々に実現すれば、仮想通貨市場にふたたび活力が戻ってくる可能性が非常に大きいと考えられます。

ただ、アメリカではこれまでに多くの取引所からETF申請がされていますが、現時点でアメリカ証券取引委員会(SEC)から承認を受けた事例は一つもありません。

取引量(流動性)の少なさからくる価格操作のリスクが一番の要因と考えられています。

どうすればSECから承認を得られるのか予想は難しいところですが、各国で法整備が徐々に進み、ビットコインをはじめとする仮想通貨が実生活に浸透する「時間」がもう少し必要なのかもしれません。

大本命である、世界最古の取引所であるCBOE(シカゴ・オプション取引所)が申請しているビットコインETFの結果は、どんなに遅くとも2019年の2月までに下される事になっています。

まずはこのCBOEのETF承認の行方が注目されます。

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