このまま上昇していくとは思えない2019年の仮想通貨市場【懸念点の考察】

ビットコインの価格上昇が止まりませんね。

下記チャートはここ3ヶ月のビットコインの価格ですが、3月頭に1BTC=約42万円だった価格が5月29日現在で1BTC=約95万円(226%UP)まで上がっています。

 


データ参照:Tradingview.com

 

このビットコイン価格上昇に連動しアルトコインの価格も軒並み上昇しており、仮想通貨全体の時価総額は約15兆円から30兆円ほどに倍増しています。

TwitterをはじめとしたSNSでも最近は仮想通貨関連の盛り上がりを感じますし、海外のTVでも仮想通貨関連のCMが放送され始めたりと、過熱して来た感があります。

日本でも先日久しぶりにNHKでビットコインの価格上昇について触れられたり、各取引所の新規登録者数が急上昇しているという事実があります。

仮想通貨にそれなりの額を投資している自分にとっては非常に嬉しい事ではあるのですが、その一方で、このまま順調に上昇していくとは考えていません。

今回は仮想通貨市場がかかえる問題を、自分なりにまとめてみました。

 

Tether(テザー)社のUSDT問題

Tether(USDT)の問題については過去記事にしてきましたが、やはりこの問題の解決なくして、仮想通貨市場の健全化ならびに機関投資家からの資金流入は見込めないと考えてます。

✅すっかり信用が地に落ちたTether USDT
✅ついに開き直ったTether/テザー社・準備金不足だけでなく不正流用疑惑まで

Tether社が発行するステーブルコイン:USDTに裏付け資産が無いのではないか?という疑惑は以前から話題にあがっていますが、先日Tether社とCEOが同じBitfinexの弁護士が、USDTの裏付け資産としてビットコインに投資していた事を明らかにしました。

まずUSDTがアメリカドル(USD)と1対1で価値が裏付けられているという点において嘘だったという事、そしてビットコインという値動きが激しい資産にUSDTを使っていたという点で、もはやステーブルコインと呼べる代物では無かったという事です。

そしてもっと深刻な問題として、BitfinexとTetherが同じ経営者によって運営されている事を悪用し、Tetherが裏付け資金無しにUSDTを大量発行し、それをBitfinexに送金した後、その裏付け資産ゼロのUSDTを使ってビットコインを大量購入していた(買い支えていた)という疑惑です。

数千億円、いや累計すると数兆円に上るニセ資産によって、ビットコインの価格が作られているとしたら、これは本当に深刻な事態です。

これまでのTetherの言動の変化です。

【当初】
🔹USDTはアメリカドルによって価値が裏付けられている

【2019年4月】
🔹裏付け資産の全てがアメリカドルとは限らず、「現金同等物(債権や証券)」の場合がある

【2019年5月】
🔹USDTの裏付け資産の一部はビットコインだった(今ココ)

言ってる事がコロコロ変わっており、また今まで第三者機関からの監査を一度も受けた事がありません。

そして、今やTetherの1日あたりの取引高は全仮想通貨中一位で約3兆円あります(仮想通貨全体の1日の取引高の約30%をTether USDTが占めます)


データ参照:Coinmarket Cap

 

こんなBitfinexとTetherのおもちゃのような仮想通貨が、全体の取引高の30%を占めており、USDTが新規で発行されるたびにビットコインの価格が少なからず上昇していると考えると、やはりTether問題の解決なくして仮想通貨市場が健全化する事はあり得ないと思います。

 

常にビットコインの価格に左右されるアルトコイン

これも2017年から変わっていない点ですが、基本的にほぼ全てのアルトコインはビットコインの価格変化に連動して上がったり下がったりしてます。

各アルトコインで目を引く発表があった時に、ビットコインの価格と連動せず暴騰する事はありますが、やはり長い目で見るとビットコインの価格に影響される事が大半です。

今回の5月に入ってからの仮想通貨全体の大きな上げをみても、ビットコインの価格が先に動き、その後アルトコインの価格がついてきてます。

既に通貨として死んでいる(開発が進んでない)と言っても過言でないビットコインゴールド(BTG)やイーサリアムクラシック(ETC)、その他何多くの草コインの価格が上昇している事は、それぞれの通貨の価値が認められて価格上昇しているのではなく、単にビットコインの価格があがっているからだと思います。

個人的にはビットコインと主要アルトコイン以外は、まだ何の価値もないと思ってます。

ビットコインの価格次第っていう状況は相場としては不健全であり、まだまだ投機の域を出ていません。

仮想通貨全体がビットコイン次第というのは、見方を変えると、前述したTether問題がいかに大きな問題かという事です。

 

取引所の不正問題

2019年に入ってからも、ハッキング被害は留まるところを知らず、ハッキング被害にあった取引所がユーザーへ補償できないケースが出ています。

また表向きはハッキングにあったというように装い、実際はユーザーの預かり資産を持ち逃げするというケースも目立っています。

これらのケースに対しては取引所に仮想通貨を預けておかずに、自分のウォレットに移動するなどしてある程度の対策は打てますが、最近よく聞く取引所の問題として「フロントランニング」という不正があります。

フロントランニング
顧客(投資家)からの注文を受けた金融商品取引業者やその役職員が、顧客の売買を成立させる前に、顧客の注文より有利な価格で自分の売買を行うこと。金融商品取引業者はリスクなしで利益が得られることから、顧客に対する忠実義務違反として、金融商品取引法で禁止されています。(引用元:三井住友DSアセットマネジメントHP)

要は取引所の自社売買の事です。

例えば、板取引で100円の売り板があったとします。

1)ユーザーAがこれに対して成行注文を出す

2)取引所がこれを事前に把握し、ユーザーAの取引が成立する前に先回りして100円で買い、101円の売り板を出し、ユーザーAに売る。

3)上記を行う事によって、取引所は1円幅の利益を得て、一方ユーザーAは1円幅の損失を出す。

これを繰り返す事によって、取引所はノーリスクで利益を得る事が出来ます。

このフロントランニングが多くの仮想通貨取引所で行われているという疑惑があり、日本の取引所であるbit Flyerが自社売買をしていたことを発表しました。

bit Flyerは「あくまで流動性確保を目的としたもので、フロントランニングはしていない」との主張ですが、海外の身元がはっきりしない取引所等では多かれ少なかれ、このような不正が行われている可能性は高いです。

フロントランニングだけでなく、自社売買を行う事より不当に取引高を多く見せ、ユーザーを呼び込んでいる取引所も少なくないです。

投資家保護という点において、仮想通貨取引所に対する規制が全く追いついていないのが現状です。

 

とりあえず思いつく懸念点を挙げましたが、これ以外にも探せばまだまだ出てくると思いますw

アメリカでは機関投資家(フィデリティやBakkt等)が徐々に参入しており、日本でもYahooや楽天も2019年にサービスを開始するなど明るい話題も多く、仮想通貨全体の価格押上げに繋がっているのかもしれませんが、上述した根本的な問題解決が無い限り、どこかでまた暴落すると考えています。

ここ最近のSNS等での浮かれモードに盲目になる事なく、引き続き選定した銘柄の状況を日々追いながら、定期積立を続けていきたい思います。

お勧めの仮想通貨取引所

取引量やセキュリティ等総合的に考えて、初心者の方に一番お勧めできる取引所です。 bitbank