Ethereum(ETH)が直面している問題と今後の動向

イーサリアム(Ethereum)は、仮想通貨ではビットコインの次に有名と言っても過言ではありませんが、最近は時価総額でリップル社のXRPに抜かれたり、スケーリングの問題が顕著になってきたりと、停滞感が否めない状況です。

また、各国が仮想通貨の法整備に乗り出す中、日本を初めICOに対する締め付けが厳しくなり、ICOでイーサリアムが使われるケースが激減している事も影響してます。

いったい今イーサリアムを取り巻く環境がどうなっているのか?、イーサリアムの基本情報から、直面している問題等を考察していきたいと思います。

イーサリアムの基本情報

まずはビットコインとの比較から。

ビットコインは中央管理者の不要なP2Pの決済系通貨ですが、イーサリアムはP2Pの決済機能に加えてスマートコントラクトという機能を備えたプラットフォームです。

スマートコントラクトは簡単にいうと、ブロックチェーンに契約内容を書き込み、条件を満たした時に、自動的にその契約が履行されるシステムです。

イーサリアムもビットコインと同様に、中央管理者が存在せず、世界に分散するPC(ノード)によってデータが共有されている為、第三者の仲介なくしてP2Pの決済、契約内容の実行を行えます。

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世間的に仮想通貨の存在がクローズアップされたのは、このスマートコントラクトという自動契約システムとブロックチェーンの存在が大きな要因だったのではないでしょうか。

尚、イーサリアムはプラットフォームの名前で、そのプラットフォーム上で使われる通貨の名前がイーサ(Ether)になります。

一般的な取引所ではEtherではなくEthereumという名称でリスティングされている為、分かりにくいですが、私達が取引所で購入しているのはEtherのほうになります。

このイーサは別名Gas(ガス/燃料)とも呼ばれており、イーサリアムのプラットフォーム上でイーサリアムベースのコイン(ERCトークン)を発行する際や、稼働させるときの燃料として、またはコイン送金時の送金手数料として使われます。
※ERCトークン:イーサリアム上のプラットフォームで動作するコイン

イーサリアムもビットコインと同じProof of Workを採用していますが、マイニングのブロックの承認にはEthashというASIC耐性のアルゴリズムを取り入れています。

1ブロックの承認時間は約15秒になっており、ビットコイン(10分)の約40分の1です。
また2018年12月現在、1ブロックあたりの報酬は3Ethになっています。

イーサリアムは誕生してから長い間、ビットコインに次ぐ時価総額2位をキープしてきたアルトコインの代表的な存在で、数多くの著名企業が提携先に名を連ねています。

ただ、先日XRPにその座を明け渡しており、直近のロードマップも予定通り進んでいません。
次項では、イーサリアムが抱える問題点を見ていきます。

イーサリアムが抱える問題点 ➀スケーラビリティ

イーサリアムもビットコインと同様に、スケーラビリティの問題に直面しています。

スケーラビリティ問題とは、ユーザーの取引量(トランザクション)が増える事により、送金手数料の高騰や取引速度が遅くなる問題です。

この問題を解決する為に、イーサリアムはメインのブロックチェーン(イーサリアムブロックチェーン)から枝分かれしたサイドチェーン(プラズマチェーン)で取引を捌く事により、トランザクションのキャパを拡大するプラズマキャッシュという技術を検討しています。

イーサリアムの本体のブロックチェーンにトランザクションがたまってしまい、送金が詰まる事を避ける為に、本体のチェーンとは別のチェーンでトランザクションを捌くという技術です。

ただ、それぞれに枝分かれしたチェーン間で整合性を取る事が難しかったりと、2017年から検討されている技術にも関わらず、未だ実装に至っていません。

✅イーサリアムのロードマップ
1)フロンティア(Frontier) ⇒ 基本的な機能のテスト・バグ出し(済み)
2)ホームステッド(Homestead) ⇒ 基本性能の改善・マイニング調整等(済み)
3)メトロポリス(Metropolis) ⇒ PoSへの移管準備・マイニング難易度調整・匿名性強化
4)セレニティ(Serenity) ⇒ PoSへの完全移行完了

現在3)のメトロポリスまで進んでいますが、アップデートのテスト中にバグが発覚したことにより、当初予定されていた2018年11月から2019年1月に延期されてしまいました。

イーサリアムの特徴であるスマートコンタクトには、各種契約事項の容量の大きいデータが収納される傾向がある為、スケーリング問題の解決は非常に重要な問題です。

スケーラビリティ以外にも解決すべき問題もあり、アップデートが度々遅延している状況です。

イーサリアムが抱える問題点 ②ICO規制による取引高減少

2017年は記憶に新しいICOブームの年でした。
全体のICOの約85%前後がイーサリアムベースで実施(トークン発行)されたと言われています。

しかし2018年に入り、各国の規制強化によりICOの数が極端に減少しました。2018年7月~9月のICO件数(597件)は、同年4月~6月の約4分の一まで減少しています。

そして、この597件のICOのうち取引所に上場を果たせたのは、わずか24件(約4%)しかありません。ネット上から既に消えてしまっている、なかば詐欺的なプロジェクトも、約20%程度ほどあると言われています。これに伴い、イーサリアムの需要が極端に減っています。

また2017年に大量のイーサリアムを獲得したICOの運営が、仮想通貨下落相場に伴い、イーサリアムを売り払っている事も影響しています。

上記のデータでも分かるように、実現性のない詐欺まがいのICOが多発した事により、個人投資家が非常に慎重になっています。これは仮想通貨市場を長い目で見た場合はプラスになる事かもしれませんが、短期・中期的な目線で考えると、ICO復活による需要回復は難しそうです。

イーサリアムが抱える問題点 ③ライバルの存在(EOS,NEO等)

前述の通り、イーサリアムは既にスケーラビリティが限界に達しており、トランザクションが遅い手数料高いという問題に直面しています。

そんなイーサリアムと同じスマートコントラクト機能で有名な仮想通貨に、イオス(EOS)ネオ(NEO)があります。いわばイーサリアムのライバルのような存在です。

イオスはブロック承認方法にDpos、ネオはDBFTというアルゴリズムを採用しているのですが、これらのアルゴリズムにより数秒での取引承認を実現しています。

詳細は省きますが、いわゆるPoSと似たようなメカニズムで、コイン大量保有者がランダムに選ばれ、その選ばれたものが承認作業を実施するというシステムです。

またイーサリアムのPoWと異なり、膨大な量の電気を使用する事なくブロックの承認が可能な為、手数料もほとんど発生しません。(イオスは基本的に取引手数料ゼロ)

イーサリアムも今後PoSへ移行する計画になっていますが、現在はPoWを採用している為、どうしても承認スピードや手数料ではイオスやネオに太刀打ち出来ません。

「コインの大量保有者が取引承認をする」というアルゴリズムは中央集権的なシステムです。

ただ、ある程度のセキュリティ・分散性が確保されているのであれば、スマートコントラクトでは手数料が安い&スピーディーな決済が可能という利便性がより重要視されてくる可能性は十分あると考えられます。

まとめ

そもそも自分はPoS通貨を購入するつもりはないんですが、、、イーサリアムが想像以上に苦境に立たされている事が分かったので、ちょっと調べてみた次第です。

DAPPS市場のシェアはイーサリアムが80%以上と圧倒的なシェアを誇っていますが、取引スピードや手数料のアドバンテージを考えると、現状のままではイオスやネオにシェアを奪われてしまうかもしれません。

※DAPPSとはプラットフォーム上で稼働する中央管理者不在のアプリケーション

またプラットフォームであるイーサリアムがもし失敗に終わってしまうと、今までイーサリアム上で発行された数多くのERCトークンも一蓮托生になってしまう為、その他多くのアルトコインの命運もかかっています。

今後の開発状況次第ですが、一刻も早いスケーラビリティ問題の解決が望まれます。

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