【島津製作所】北米で需要が高まる大麻成分の分析装置【カンナビノイド分析器】

2018年10月にカナダで嗜好用大麻が解禁になり、アメリカやヨーロッパ各国ではマリファナを社会全体で受け入れていく潮流になりつつあります。

株式投資の世界でも大麻関連銘柄に注目が集まっており、この大麻に関する世界的な盛り上がりは「グリーンラッシュ」と呼ばれています。

✅以前書いたグリーンラッシュの記事
世界的な大麻解禁の動きについて【グリーンラッシュ】

北米・ヨーロッパ、南米を中心に医療用、嗜好用大麻の解禁に動き出している中で、日本の大麻へのイメージは以前より相対的に悪く、法律も非常に厳しいのが現状です。

ただ、そんな日本の中でも、島津製作所という東証一部上場企業が大麻成分の分析装置を製造しており、北米で需要が高まっています。

現在大麻市場への供給の多くはカナダ企業が占めていますが、アメリカが今後確実に大きくなっていくマーケットをカナダに独り占めさせる訳ないので、アメリカが更なる大麻解禁に舵を切っていくことは間違いなく、何かとアメリカに右ならえの日本にも少なからず大麻に関する変化が起こってくるのではと考えています。

今回は島津製作所が製造している大麻成分分析装置のポテンシャルや、各国で見込まれる市場規模等についてまとめてみました。

 

必ず必要になる大麻成分の分析装置

大麻のサプライチェーンは大まかに分けると下記のようになるのですが、下表で分かる通り、大麻草生産者から市場に出回るまでに必ず「テストラボ(検査機関)」を通過します。


画像引用:cannabistock.jp

当たり前の事ですが、アメリカでは医療用、嗜好用例外なく事前の成分検査が義務付けられています。

主要な大麻成分で向精神作用があるTHC(テトラ・ヒドロ・カンナビノール)の含有率や、重金属、バクテリアなどの病原菌が含まれていないか、専用の分析器を使って成分検査を行う必要があります。

まさにここで島津製作所の分析器が使われており、昨今のカナダでの大麻全面解禁、アメリカの一部州での嗜好用大麻合法化の拡大等によって需要が高まっています。


画像引用:島津製作所ホームページ

島津製作所のアメリカでは上記のような大麻成分分析装置を販売しています。

🔷Hemp Analyzer(ヘンプアナライザー)
🔷Cannabis Analyzer(カンナビスアナライザー)

まだまだ合法的な大麻市場は黎明期にあたり、業界標準の検査手法や成分割合などが制定されていない為、テストラボによっては検出結果にバラツキが出てしまったりしている状況です。

ただ、今後市場が大きくなるにつれ、検査方法や成分基準値等の厳格化が進む事は間違いなく、先行組の島津製作所の技術力が認められれば、今後大麻マーケットで確固たる地位を築き上げる可能性があります。

現在の大麻を取り巻く環境は、仮想通貨市場のように先行きの予測が難しいところがありますが、大麻は直接人体に影響を及ぼす恐れがあるので、この分析装置の存在が大麻市場から不要となる事はまず考えられないのではないでしょうか。

島津製作所は大麻成分の分析器だけでなく、危険ドラックの分析装置なども既にリリースしており、また工業用(半導体、液晶)含め多種多様な分析装置を扱っているその道のプロフェッショナルなので、技術面では間違いない物を持っています。

また、マリファナの加工やパッケージング、消費者への小売店と違い、分析装置の分野は参入障壁が高く、価格の叩き合いに巻き込まれにくい事もメリットの一つです。

大麻そのものを市場に販売する企業ではない為、莫大な売上を叩き出す事は期待しにくいですが、分析器等は売り切りでなくアフターサービス(保守、サービスパーツ)でも利益を出すことが出来るので、定期的な需要と利益が見込めのも大きいですね。

 

島津製作所の会社情報・業績

島津製作所は1875年に京都で創業した分析・計測機器、産業機器メーカーです。

海外拠点もアメリカ、欧州、中東、アジア世界各国に数十拠点を構え、売上の半分は海外が占めています。

🔷株式会社島津製作所
本社:京都
時価総額:8,310億円
資本金:266億48百万円
EPS:110.41円
PER:25.42
PBR:2.87
ROE:11.71%
ROA:7.59%
自己資本比率:65.9%
上場取引所:東証一部
※2019年5月時点

自己資本比率は常に60%台をキープしており、経営基盤は盤石です。

リーマンショック以降株価は600円~700円台でくすごっていましたが、2013年以降から上昇に転じ、現在は約2800円となっています。

下記チャートでは分かりませんが、日本のバルブ絶頂期(1989年)の株価を未だに越えられない日本株が多数あるなかで、島津製作所のそれはバブル時の価格を超えています。

PERについては、日本の精密機器業界の平均が22前後なので、現在の株価は少し割高です。

売上、営業利益、純利益共に安定して右肩上がりを示しており、直近の2019年の純利益率8.31%は業界平均の6.6%を上回っています。

 

直近4年間の配当金額は毎年増配を記録していますが、配当率で換算すると1%前後なので、物足りなさを感じます。

配当性向は30%前後なので、もう少し株主還元してもらいたいところですw

 

キャッシュフローの面では、若干デコボコしているものの、フリーキャッシュフローで200億円弱確保できており、安定しています。

 

また、EPS(1株あたり利益)、BPS(1株あたり純資産)も綺麗な右肩あがりで、優良長期投資銘柄にふさわしいです。


データ引用:バフェット・コード
https://www.buffett-code.com/company/7701

 

北米での計測器関連の売上は、前年比で約10%の成長を記録しており、大麻分析装置も売上増に貢献しているとの事なので、今後が楽しみな企業です。

前述済みですが、長い目で見た時に今後日本を含めたアジア圏等で大麻ビジネスが拡大してくるような事があれば、分析器は必ず必要になるツールである為、将来性があります。

 

各国の大麻規制状況とポテンシャル

<北米・ヨーロッパ>
🔷アメリカ
連邦レベルでは依然違法だが、州レベルだとコロラド、カリフォルニア、オレゴン、ネバダ、ワシントン、ミシガン州などで娯楽用大麻が既に合法になっている。2022年には7兆円ほどの市場規模が見込まれる。

🔷カナダ
国として嗜好用大麻を合法化。2017年度で既に5,000憶円以上の市場規模がある。大麻草の生産から加工、小売店まで一括で管理する垂直統括型企業の多くはカナダ企業。

🔷フランス
大麻の所持、使用ともに違法。
現在の市場規模は小さいが、今後2022年には35億円規模になると予想される。

🔷ドイツ
ヨーロッパ最大の医療大麻市場を持っており、医療大麻は全面的に解禁されており、厳格なルールの下運用されている国内約2万箇所の薬局で購入する事が出来る。2019年から自国生産開始予定で、2022年には約1,600億円の市場規模が見込まれる。

🔷イタリア
医療用途以外での大麻の所持、使用共に違法。
現在は軍が唯一の大麻生産者だが、今後嗜好用大麻解禁に動いていくと目されており、2022年の市場規模は約156億円。

🔷オランダ
厳密には大麻の所持、使用共に違法だか、現実的には「非合法だが罰せず」という方針を取っている。アムステルダムのコーヒーショップで誰でも簡単に入手できることは有名な話。ヨーロッパにおける大麻の一大供給拠点になっており、2022年には約90億円の市場規模になる見込み。

🔷スペイン
国として大麻の販売は禁止(消費はOK)されているが、医療用、娯楽用大麻共に各州の自治に任せており、個人的な少量所持、使用に至っては実質非処罰化されている。2022年には約100億規模に発展すると見られている。

🔷スイス
ヨーロッパで数少ない国家レベルで大麻を合法化している国。THC含有率1%以下という原則つきではあるが、世界で最も大麻市場が一般に開放されている。2022年の予想市場規模は約165憶円。

🔷イギリス
所持、使用共に違法。
実際には1オンス(約28グラム)以下の所持程度では非処罰化になっている。今後医療大麻がどのように合法化されていくかが焦点になっており、進展次第では2022年に300億円規模の市場になっていく見込み。

<アジア・オセアニア各国>
ヨーロッパ、北米に比べ大麻への規制は厳しいが、カナダでの大麻合法化の後、いくつかの国で医療大麻の合法化が実施されている。

タイ、オーストラリア、ニュージーランド、韓国、イスラエル等では医療大麻の使用が合法化。その中でもイスラエスでは今後大麻の輸出産業へ力を入れていくと考えられており、将来的に1,000億円ほどの規模になっていく可能性がある。

<中南米>
🔷メキシコ
医療大麻は合法化済み。
現在メキシコ上院が大麻完全合法化の法案を作成し、2019年10月までに提出予定。メキシコ大統領自らも合法化に対して前向きな態度を見せている為、カナダに続く大麻合法国家になる可能性がある。2022年の予想市場規模は約100億円。

🔷ウルグアイ
医療用、嗜好用大麻を合法化した初の国。
外国人の購入は禁止されているが、18歳以上のウルグアイ国民であれば、1ヵ月に40グラムまで国営の薬局で大麻を購入する事が許可されている。2022年の市場規模は約30億円ほど。

🔷ブラジル
医療用大麻、嗜好用大麻共に非合法だが、実質は非刑罰化されている。直近ではブラジルの上院で医療用大麻の合法化を認可しており、徐々に社会に受け入れられてきている。南米一の人口を誇るだけに、2022年には100億円程度の市場規模が見込まれる。

🔷アルゼンチン
ブラジル同様法律上は違法だが、実際は少量の所持、使用については非刑罰化されている。今後は自国での生産体制を拡大していく見込みで、2022年の医療用大麻市場の規模は52億円程度になると見られている。

🔷コロンビア
医療用大麻は合法化。
個人による少量の所持、使用は他のブラジルやアルゼンチンと同様に非処罰化されている。コロンビアの大麻栽培にかかる低生産コストと地理的な利点から、北米やヨーロッパ企業が続々と同国へ投資を行っており、一大大麻生産地になりつつある。2022年の医療大麻の市場は20億円が見込まれる。

以上が各国の大麻規制状況ですが、日本では医療用大麻、嗜好用大麻共に違法です。

なんでもかんでも欧米を参考に!、なんて言うつもりは全く無いですが、日本では議論すら始まっている感じもないので、せめて医療用途への研究などについては検討すべきではないかと思います。

今後先進国では少子高齢化による医療費の増大が見込まれる中で、大麻が一つの医療方法として活用できる可能性があるのであれば、それは世界にとってプラスになる事ですし、大麻関連株式など投資対象としても更に注目されてくるのではないでしょうか。

今現在海外駐在中の身なので日本のマイナンバーを持っておらず、島津製作所の株式やアメリカ、カナダの大麻関連株への投資もできませんが、日本へ帰任した時の為に、大麻関連の状況は引き続きチェックしていきたいと思います。

尚、今回の記事作成にあたり下記書籍を参考にさえてもらいました。

✅投資に役立つ!よくわかる大麻ビジネス

大麻ビジネスの概要から、大麻ビジネスに従事している企業、各国の大麻への規制状況等よくまとまっておりオススメです。

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