ビナミルクはベトナムで乳製品シェアNo1の企業で、私も実際に500万円ほど投資している新興国株の一つです。
そのビナミルク(VNM)から2018年度の決算が先日発表され、結果から言うと2018年度は増収減益となり、2014年以来の減益になりました。
ビナミルクの年間報告書から2018年の実績と、2019年以降の動向についてまとめてみました。
✅参照資料
Vinamilk 2018 Annual Report
✅ビナミルクの過去記事
ビナミルクvnmはベトナムno1の乳製品企業
2018年度の売上、利益、配当情報
売上は前年対比で約2,430憶円から約2,506億円と約3%増に対して、税引後利益が490憶円から486憶円と約1%減という結果でした。(1円=210ベトナムドン計算)
🔹ビナミルク 2019年6月7日現在データ
ティッカー:VNM
本社:ベトナム
時価総額:約1兆498億円 (220,462,234,443 千VND)
EPS:25.21円 (5,295VND)
PER:23.89
PBR:8.39
ROE:40.70%
ROA:29.44%
上場取引所:ホーチミン証券取引所
🔹ビナミルクの直近4年間実績比較
●2015年 売上:1,910億円 税引後利益:370億円 ROE:38.29% P/E:19.76
●2016年 売上:2,230憶円 税引後利益:446憶円 ROE:43.16% P/E:19.50
●2017年 売上:2,430憶円 税引後利益:490憶円 ROE:44.49% P/E:29.40
●2018年 売上:2,506憶円 税引後利益:486憶円 ROE:40.79% P/E:28.40
※1円=210ベトナムドンで計算
引き続きROEは40%越えで、営業利益率約23%、純利益率も約19%と高い水準を維持しています。

フリーCFが前年対比で落ち込んでいますが、2018年度の営業キャッシュフローマージン(営業CFM)は15.5%を記録しており、優良企業の基準値である15%以上を越えています。
アメリカの大企業では営業CFMが15%を超える銘柄は沢山ありますが、日系企業ではトヨタやユニクロなのどの優良企業でも15%には達していないので、ビナミルクの収益性が優秀だという事が分かります。

2018年度のROEとROAも前年割れしているものの、引き続き高水準をキープしています。
2014年度以来の前年割れした純粗利(税引後利益)、ROE、フリーCF、営業CFMが、2019年度どのような数字になってくるか要注目です。
そして、今後の配当スケジュールは下記の通りです。
🔹1) 2019年6月26日支払:1,500VND/株
🔹2) 2019年9月支払:2,000VND/株
🔹3) 2020年2月支払:1,000VND/株
🔹4) 2020年最終配当:未定
2019年度の配当は2)~4)の3回の予定で、2018年度の最終配当は(1)です。
年間合計配当額は4,000~4,500VNDの見込みになるので、現状のVNM株価126,600VNDで計算すると、年間利回り3.2~3.5%程度になります。
ベトナム株式の配当金への課税は非課税になっており、且つ自分は現在日本非居住者+ベトナム現地口座保有(SSI証券)なので、まるまる3%以上の配当が得られるのは、非常に大きいです。
2019年以降の動向と課題
2018年の純利益が2017年と比べ約1%ほど落ちていますが、天候不順などによる市場需要の落ち込みと、競合他社との価格競争が要因だとレポートされています。
ベトナムは都市部と地方部での乳製品消費率に大きな差があり、地方では都市部の約半分の乳製品消費量に留まっている為、まだまだ国内市場での伸びしろには期待できます。
※尚、2018年のビナミルクのベトナム国内シェアは0.9%増となっており、乳製品全体で約6割のシェアを確保しています。
利益改善に関しては、乳牛の約70%を輸入に頼っている事から、国内にある12農場での乳牛数を増やしていく事や、ラオスに新農業をつくる等の動きもかけています。
また国内の同業他社であるGTNフーズを買収するなど、シェア拡大にも余念がありません。
現在ビナミルクの国内売上と海外売上の比率はそれぞれ85%、15%になっており、海外40ヵ国へ乳製品の輸出を行っています。
まだまだ売上の海外比率は低いですが、2018年は輸出実績として新たに3ヵ国追加されており、2019年度も積極的に中国やアセアン各国、アフリカ、中東へと販売網を広げていく意向です。
2019年の売上と利益の目標は、売上:56兆VND(約2,660憶円)、純利益:10.5兆VND(約500億円)となっており、対2018年比ではそれぞれ約5%UPです。
画像引用:2018 Vinamilk Annual Report
2021年までのビナミルクの目標は「国内No1の地位を維持し続ける事」と「売上額で世界TOP30の乳製品企業になる事」の2つがあげられています。
世界の企業と肩を並べるには海外売上の比率(グローバル企業化)をあげていく事が重要になってくるので、ビナミルクの今後の海外展開も注目されます。
ビナミルクのポートフォリオ
6月9日時点の自分のベトナム株ポートフォリオです。
上段がベトナムドン、下段が日本円換算したものです。
2019年6月9日時点 ベトナム株ポートフォリオ
2017年末からビナミルクを購入してきましたが、ちょうど下記VNMチャートの赤丸天井あたりで現在の投資金額を半年位かけてツッコンでいる為、平均単価が約153,000VNDと非常に高止まりしてます・・・
なぜ500万円ほどの金額をもっと時間をかけて「ドルコスト平均法」で投資しなかったのか、未だに後悔してます。
データ引用:VIET KABU
このビナミルク株では、身をもって分散投資と積立投資の重要性を勉強させてもらいました。
例え良い株だとうと、購入時期によっては長い含み損期間を経験する可能性があるって事なんですよね。
長期投資であればあるほど、自分みたいな素人は一つの株に集中投資するのではなく、分散して積立て投資するべきなのに、これが株を始めたばかりの頃は分かりませんでしたw
それも新興国株であれば尚更気を付けないといけなかったです。。
現在の自分のポートフォリオは仮想通貨と新興国株がほぼ全てなので、一旦仮想通貨とベトナム株、フィリピン株への投資は配当再投資だけに絞り、今後はアメリカ株、つみたてNISA等への投資へ切り替え、ポートフォリオの再構築をしていく予定です。
とは言いつつビナミルク株の可能性には大いに期待しているので、今後5年先、10年先を見据え配当再投資を徹底していこうと思います。