バンガード・トータル・ストック・マーケット【VTI】は、米国株式のほぼ100%をカバーするETF(上場投資信託)で、先日初めて18株(約30万円弱)ほど購入しました。
バンガード社が運用する人気ETFで、投資対象銘柄は約3,600社にも及び、VTIという銘柄を買うだけで、米国株式全体に投資する事ができます。
アメリカ株を始める前から、ポートフォリオの中心はETFにしようと決めていたのですが、なんせ上場しているETFの数がたくさんあるので、どのETFを中核にするかは色々と迷いました。
数多く存在するETFの中からVTIを選んだ理由をまとめてみました。
代表的なETFと運用会社
日本の証券会社で買えるETFは沢山ありますが、代表的な運用企業はバンガード、ブラックロック、ステート・ストリートの3社で、ETFの運用額は数兆円規模と莫大な金額です。
下記は各社の代表的なETF一覧です。
上記はアメリカ株の代表的なETFですが、債権ETF、日経225をベンチマークとしたETF、ベトナムやフィリピン、ナイジェリアなどの新興国に丸ごと投資できるETF等もあり、その種類は多岐にわたります。
日経225やS&P500、ダウ30種、ナスダック等の指標に価格連動するのが特徴で、幅広く分散されている分、大勝は難しいですが、大負けするリスクは個別株に比べれば大分下がります。
長期に渡って資産形成を考えている人向けですね。
VTI基本情報
2019年8月時点のVTI基本情報です。
経費率はステート・ストリートのSPTM、同社バンガードのVOOと並ぶETF最安の0.03%で文句なし。
構成株式銘柄は約3,600とほぼ全てのアメリカ株をカバーしており、売買回転率3.4%と他のETFと比べても断トツで低い値です。
頻繁な銘柄入れ替えを抑えているからこそ、経費率0.03%を実現しています。
S&P500をアウトパフォームするだけあって、素晴らしいトータルリターンです。
バンガード / VTI ファクトシート
保有上位10銘柄とセクター別の構成比率です。
景気に敏感な「テクノロジー」「金融」「資本財」の3セクターで50%以上の構成比率になっていることもあり、不況の時は普通に下落します。
リーマンショックの時も77ドル → 34ドルまで下落(約▲55%)しているので、最悪のケースとして株価が半減するリスクがある事は頭に入れておいたほうがいいですね。
保有上位10社は、どれも知名度の高いアメリカの大企業ばかりです。
※自分の保有株でもある【V】ビザが、10位にランクインしました。
バンガード / VTI ファクトシート
数あるETFからVTIを選んだ理由
自分なりに考えた理由を書いていきます。
■アメリカ株が今後も成長していくと思ったから
自分の国の事ではありますが、少子高齢化で人口が減り続けている日本のETFを買う選択肢は最初からありませんでした。人口が減っていく国で経済が成長していくことはあり得ないので。
アメリカは今後もしばらくは人口増加が見込め、新しいテクノロジーがこれからもアメリカから生まれてくると思ったからです。世界一投資環境が整っている点もありますね。
VTIという1銘柄を買う事で、アメリカという株式市場ほぼ丸ごと全てに投資出来ます。
今後大きな成長が見込める新興国向けETFもありますが、経済成長と株価が連動しないケースが多々あり、また確実性に乏しい為、新興国ETFをメインにするのではなくVTIをメインにしました。
■VTIはS&P500を超えるリターンを出し続けている
下記チャートの通り、ウォーレンバフェットを始め多くの投資家が推奨するS&P500をアウトパフォームしています。
90%以上のファンドや機関投資家が、S&P500以上のリターンを継続して達成する事がほとんど出来ないと言われている中、そのS&P500以上のリータンを10年以上にわたって叩き出しいてるVTIは文句なく優秀なETFです。
Yahoo Finance / VTI vs S&P500比較
■キャピタルゲインだけでなくインカムゲインも狙える
キャピタルゲインについては、S&P500をアウトパフォームしている事からも十分狙えることが分かりますが、分配金についてもリーマンショック後は毎年約10%のペースで増配しています。
ここ最近はずっと株価が右肩上がりの為、分配利回りだけみると1.5%~2%前後が多いですが、直近10年で年平均約10%の増配率は十分インカムゲインも狙える数字です。
高配当ETFで人気のVYMやHDVだと配当利回り3%前後ありますが、株価の伸びではVTIに大きくアンダーパフォームします。
ここは少し悩んだところですが、キャピタルゲインとインカムゲインのトータルで考えてVTIを選びました。
※VTIはリーマンショック前後の2007年~2009年かけて減配しているので、今後も大きな不況・金融危機の際には減配になるかもしれません。
■手間がかからない&欲望抑制効果
VTIに限った話ではないですが、これは地味に大きな点で、個別株だと定期的に決算情報等をチェックしないといけないですが、ETFについてはある意味ほったらかしでOKです。
またアメリカ企業は突き抜けた企業が多いので、あれも買いたい・これも買いたいっていう株が本当に多いです。
そういう意味では、アメリカのほぼすべての企業に分散投資できるVTIは、そんな素人のスケベ心を抑制してくれますw
代表的なETFとのリターン比較
代表的なETFのリターン比較です(青色がVTIのチャートです)
■紫-QQQ :ナスダック100 (インベスコ)
■赤-IJR:米国小型株 (ブラックロック)
■青-VTI:米国株総合 (バンガード)
■緑-IVV:S&P500 (ブラックロック)
■ピンク-VYM:米国株高配当 (バンガード)
■黄-VT:全世界株式 (バンガード)
■黒-1329:日経225 (ブラックロック)
QQQ、IJRを除いた代表的な他ETFをアウトパフォームしています。
QQQはナスダックの上位100銘柄、IJRは小型株に特化したETFで、リターンはVTIを上回っていますが、ボラティリティが高く、分散性もVTIに比べ劣ります。
※特にQQQは、全体構成比率の約45%をアップル、マイクロソフト、アマゾン、アルファベット(Google)、フェイスブックで占めているので、これらIT関連株の業績がモロに株価に影響します。
バランス重視で考えると、個人的にやはりメインETFはVTIですね。
日本の1329(日経225に連動するETF)のリータンは、VTIと比べると話にならないレベルで低いです。
まとめ
S&P500をアウトパフォームしている事、分散性、時価総額、経費率どれをとってみても、鉄板ETFと言われる意味が分かりますね。
アメリカ株だけが対象なので、世界的な分散にはなっていませんが、過去のリターンを見る限りでは、へたに発展途上国、新興国に分散させるよりも確実だと思います。
また、キャピタルゲインだけでなく、安定した増配による長期でのインカムゲインも狙えるので、まさに長期目線の投資家にはうってつけのETFです。
ただし、繰り返しになりますが、リーマンショック時に最大50%程度下落している点や、状況によって減配する事は頭に入れておいた方が良さそうです。
自分としてはVTIをメインETFにしつつ、IJR(米国小型株)、QQQ(ナスダック100)、FM(フロンティア100)等もポートフォリオに織り交ぜていきたいと考えています。